突然ですが、私は高校を中退しています。
中退した当時はお先真っ暗と思いこみ、毎日ベッドの上で泣いて寝てを繰り返していました。
しかしあれから十数年たった今は大学を卒業、管理栄養士として働き自立できるまでになりました。
今回は私と同じように高校中退をした人や、人生のレールを外れたと思っている人に向けて、体験談を書いていきたいと思います。
私の来歴について
小中学校時代は、スポーツは苦手で内向的。勉強はまあまあといったところでした。
特に中学時代は、勉強をすることでクラス内の順位も上がり、自分のアイデンティティーを確立していたように思います。部活も全力投球で、友達関係も充実していました
中学時代には勉強を頑張ったおかげで、少し背伸びした高校に入学することができました。
しかし、高校に入るころには燃え尽きてしまったのでした。
高校に合格したものの、周りは私よりも賢い人ばかりだからと思い込み(実際そうなんですが)勉強に対するモチベーションをすべてなくしてしまいました。
私の頭脳では、最下位でもおかしくないと思っていたら、本当に勉強についていけなくなり最下位になりました。
振り返ってみると、今まで勉強を頑張れたのは、頑張ったことが順位などに反映されるのが楽しかったからでした。
例えば高校時代に努力して良い大学に入れれば将来の夢に近づいたり、選択肢を増やしたりできるといったことを想像できず、何のために勉強するのか知らなかったのだと思います。
また部活についても、充実しながらも練習が大変だった吹奏楽部を離れて、未経験の運動部に入りました。新しい環境と部活についていくのに大変でした。
このあたりから、なんとなくうまくいく生活から、なんとなくうまくいかない生活に環境がガラリと変わっていってしまいました。
そんな中、アイデンティティと自信をなくして高校に通えなくなり、先生からは浪人するか、中退するかを選ぶように言われます。
両親とも相談し、一つ下の学年に入る勇気もないため、高校二年生で中退することになってしまいました。
今まで順風満帆の人生を送ってきた私には、とてもつらい現実でした。
長くなってしまいましたが、その後は高卒認定試験(高認)を受けて大学の受験資格を取りました。
そして自宅で勉強しながらの浪人を経て、大学の栄養学部に入学。
カウンセリングを受けながらもなんとか通い、国家試験を受けて管理栄養士になりました。
就活とその準備
私の就活は履歴書に傷が付いているだけではなく、もともとコミュニケーション能力が低い&バイトの経験も少ないためか要領や頭の回転も悪く、ほかの同級生よりも難航しました。
それでも私は、元から人よりも内定を取りにくいとは覚悟できていたため、あまり落ち込むことなくどんどん行動するように心がけていました。
就活が本格的に始まるまでは、学内や学外で行われる就活セミナーはできる限りすべて参加。
学内の有料の就活塾にも参加しました。
また、大学の就活支援の先生がいたので積極的に面談を受けてアドバイスをもらっていました。
それでも、私のように高校中退や浪人の経験のある学生は少なかったためか、詳しいアドバイスなどをもらうことは難しかったです。
ハローワークの新卒担当の方にも相談するなど使える資源は何でも使いました。
また大学在学中は人間関係などメンタル的にもつらい面があり、通っていたスクールカウンセラーの先生にも、就活中につらいことを相談したり意見を聞いたりしました。
今思うとこの時期に、自分に必要な支援を考えて自分から受けに行くマインドができたと思います。くよくよと内向的な私ですが、意外と行動力があると今でもいわれます。
管理栄養士の就活は特殊で、一般企業よりも後、夏から秋にかけて病院や施設などの募集が始まることが多いため、まずは練習も兼ねて一般企業にどんどん応募していきました。
履歴書やエントリーシートには、もちろん中退の過去は隠さず、偽装せずに書きます。
高校中退のことなどは面接ではほぼ毎回聞かれます。ここでうまく答えられたかどうかでその後の面接の空気感も変わってきました。
面接での中退の説明の仕方
面接では高校中退のことを聞かれると「自分に自信を無くしたから」と伝えました。
本当のところは心療内科で少し薬を処方されて飲んでましたが、そのあたりは明言せずに自分の境遇を素直に語っていました。
そしてそこから、自分が変わったことについても合わせて伝えるようにしていました。
「それまでは自分に根拠のない自信があって、周りのことを考える余裕がありませんでしたが、辛いときに周りの方々に支えられたことをきっかけに、周りにも優しくすることができるようになっていきました。」みたいな感じで、自分にとって良い経験となったと言いきるようにしていました。
最初に受けた面接では、高校中退のことを自信を持って話すことができず、しどろもどろになってしまいました。
面接官も不安を感じた様子で、面接自体も手応え無く終わりました(もちろん不採用)。
そこから学習して後ろめたい過去のことは意識して明るく自信を持ってハキハキと受け答えするようにしました。先述したように、メンタル面の不調のことは伏せましたが、他は隠すことなく話すことで面接官の方の見る目も少し変わってきたと思います。
それでも面接の時のいい雰囲気の後に、不採用通知をもらうことが何社も続き、かなりつらい思いをしました。これは多くの学生に共通するところかなと思います。
自己分析が不十分なこともあってか、一般企業ではなかなか内定に繋げることができませんでした。
しかし、高齢者と関わる仕事がしたいという気持ちをずっと持っていたことや、自分の境遇や経験が福祉の業界と親和性があったためか、高齢者施設の管理栄養士職で内定をいただくことができました。
施設栄養士の採用試験は1つ目だったので、運もよかったと思います。
面接の前に大切なこと
就活では自己分析が大切だと色々な人に言われると思いますが、これは社会人になってからさらに痛感しています。
内定をもらえるかだけではなく、その後の働きやすさ(能力に合っているか)や楽しく働けるか(興味があるか)に影響し、人生にもかかわってくると思うからです。
人生でお休みする期間があった方は、特に時間をかける必要があると思います。
まだ、新卒の採用では特に、学生のメンタル面やポテンシャルも重視される傾向にあると思います。
中退の経験がある人は、社会人になってからもすぐやめたりされないかなどが懸念事項になると思います。なぜ自分がそこで働きたいのか明確にして、一本の筋を通すことで、採用担当にも刺さる可能性が上がると思います。
また就活まで時間がある人だったら、何かやり遂げた経験などを話せると芯の強さの証明になるかもしれません。
私の場合ですが、人よりハンデがあることもあり、栄養学の勉強は一番を目指すつもりで頑張りました。管理栄養士職の採用では、評価されるポイントになるかと思います。
また入学当初から漠然と高齢者に関わる仕事がしたいという希望を明確にしていたので、実習やボランティア、バイトなど高齢者と関わる経験を多く積むようにしていました。
これらのことがきっかけで高齢者施設への志望度の高さをアピールできたと思います。
あとは運転や、基本的なパソコン操作もできることもアピールしました。
私に内定が出たのは、やる気と志望度を重視してくださる職場だったからかもしれません。
最後に
就活中は、メンタル面できついときも多いかもしれませんが、周りの同級生と比べず、ペースを崩さず、就活の軸にあう就職先を受け続けていくことが大切だと思います。
今人生のレールを外れたばかりの方であれば、人生に希望が見出せない気持ちかもしれません。私もネットで色々な職業を調べては、行き詰まりを感じて自分の将来に絶望したりしました。
それでも今、不完全な私でもなんとか自立して生活できています。そのため、周りの人々や環境にはとても感謝しています。
私のコミュ力と要領の悪さ、論理的思考力の低さでもなんとかなったので、謙虚に、諦めることなく就活を頑張ってほしいです。
私の周りにも、卒業時に就職先が決まらなかった人がいましたが、卒業後に非正規の仕事が見つかってから正規採用になり、現在安定した就職先で楽しく働いています。
私は学生時代は会社員になることしか頭になかったので、就活のことばかり書いてしまいましたが、情報化社会の今では、いろいろな選択肢を選びやすくなっていると思います。
今は起業やフリーランスなど会社員以外にもたくさんの働き方や生き方があります。
サラリーマンになることがすべてではないので、そのあたりも柔軟に考えることができれば就活当時の苦しさがましになってたかもしれないので、視野を広く持ちながら、就活に取り組んでほしいと思います。